高品質な動画を作るために欠かせない要素の一つが「ライティング(照明)」です。カメラやマイクと同じくらい重要で、光の当て方次第で映像の印象は大きく変わります。特に 3点照明(Key Light・Fill Light・Backlight) はプロの映像制作でも定番のテクニック。この記事では、3点照明の基本からソフトボックス・LEDパネル・リングライトの使い分け、連続光とストロボの違い、カラーテンパーチャーの調整、さらに自宅やスタジオでの活用方法まで徹底解説します。
3点照明の基本(Key Light・Fill Light・Backlight)
Key Light(キーライト/主光源)
- 被写体をメインで照らす光
- カメラから45度ほど斜めに配置するのが基本
- 最も強い光量を持ち、顔や被写体に立体感を与える
- 使用機材例:ソフトボックス、LEDパネル、スポットライト
Fill Light(フィルライト/補助光)
- キーライトによってできた影を和らげる光
- 明るさはキーライトの50〜70%程度
- 被写体の反対側や暗い部分に配置
- 顔を柔らかく見せ、自然な印象を与える
Backlight(バックライト/リムライト)
- 被写体の背後に置き、輪郭を浮かび上がらせる光
- 髪や肩にハイライトを作り、背景から被写体を分離させる
- 強すぎない光で奥行きを演出
💡 まとめ:3点照明は映像に立体感を与える基本のライティングセットアップ。初心者からプロまで幅広く使われています。
ソフトボックス・LEDパネル・リングライトの使い分け
ソフトボックス
- 拡散された柔らかい光を作れる
- インタビュー動画や商品レビューに最適
- 光の方向をコントロールしやすい
LEDパネル
- 薄型で扱いやすく、明るさや色温度を自由に調整可能
- 自宅撮影やスタジオ撮影に便利
- 消費電力が少なく、発熱も少ない
リングライト
- 円形のライトで顔全体を均等に照らす
- メイク動画やライブ配信で人気
- 瞳にキャッチライトが入り、印象的な映像になる
💡 活用のヒント
- スタジオ撮影:ソフトボックス+LEDパネル
- ライブ配信や自撮り:リングライト
連続光 vs ストロボ(フラッシュ)
連続光(Continuous Light)
- 常に光が点灯しているため、仕上がりを確認しながら撮影できる
- 動画撮影やライブ配信に最適
- LEDなら省エネで熱も少ない
ストロボ(Flash/Strobe)
- 静止画撮影向け。瞬間的に強い光を発する
- ファッション撮影や広告写真に活用
- 動画には不向き
👉 結論:動画撮影なら「連続光」を選ぶのが基本。
カラーテンパーチャー(色温度)の調整
照明は「明るさ」だけでなく「色味(カラーテンパーチャー)」も重要です。単位は ケルビン(K)。
- 暖色(2700K〜3500K):電球色、温かみのある雰囲気
- 中間色(4000K〜5000K):自然でニュートラルな白
- 昼光色(5500K〜6500K):青みがかった白、屋外の太陽光に近い
ホワイトバランスの設定
- カメラのホワイトバランスを照明に合わせることが必須
- 異なる色温度の光を混ぜると映像が黄ばんだり青白くなったりするので注意
カラーフィルター(ジェル)の活用
- 照明に赤・青・紫などのフィルターをかけることで、演出効果をプラス
- ミュージックビデオや広告映像に最適
自宅撮影とスタジオ撮影のライティングテクニック
自宅での撮影
- スペースが限られる場合は LEDパネル や リングライト を活用
- 小型ソフトボックスで柔らかい光を確保
- 背景にもライトを当て、平坦な印象を避ける
スタジオでの撮影
- 3点照明をフルに活用
- 複数のフィルライトで影をコントロール
- バックライトで被写体を背景から分離し、プロらしい仕上がりに
プロの裏技
- リフレクター(レフ板)で光を反射させ、自然な補助光に
- 窓からの自然光を組み合わせると柔らかく温かみのある映像になる
初心者がやりがちな失敗
- ライトを1灯だけ使い、影が強すぎる
- ホワイトバランスの設定を忘れる
- 背景と被写体が同化して立体感がない
- 光量が強すぎて顔が白飛びする

まとめ:ライティングが動画のクオリティを決める
動画をプロらしく見せるには、カメラや編集技術だけでなく 照明(ライティングセットアップ) が鍵になります。3点照明(Key Light・Fill Light・Backlight)を基本に、ソフトボックス・LEDパネル・リングライトを使い分けることで映像の質は格段にアップ。さらに、カラーテンパーチャーを正しくコントロールし、自宅・スタジオに合わせたライティングを実践すれば、あなたの動画は視聴者にとって「見やすく、印象に残る」ものになるでしょう。